研究領域
私たちの研究は、オーラルヘルス科学、ペリオメディシン、オーラルマイクロバイオームの3つの領域から展開していきます。それぞれの領域において科学的エビデンスを積み重ね、重要な課題に取り組むとともに、得られた知見をより良い予防・ケアへとつなげていくことを目指します。
歯周健康科学
科学的背景
オーラルヘルスは全身の健康に不可欠な要素です。口腔疾患は依然として世界で最も一般的な非感染性疾患の一つである一方、その多くは予防が可能です。予防、行動、ケアに関する科学的エビデンスをさらに充実させ、実践へとつなげることで、口腔疾患による負担を軽減し、生涯を通じたオーラルヘルスと口腔機能の維持・向上を支えることができます。
現状の課題
現状の課題は、何が予防に有効なのかを明らかにするだけでなく、その科学的エビデンスをいかに継続的な実践へとつなげていくかという点にあります。効果的なアプローチの実施状況には、対象となる人々や保健医療システムによって依然としてばらつきがあるため、専門家が活用でき、人々が継続して取り組める形へと展開していくことが求められています。
当機構の取り組み
当機構は、歯周科学の進展を科学的エビデンスに基づく予防・早期発見・ケアの実践へとつなげ、生涯を通じた歯周の健康に関わる重要な課題に取り組みます。
ペリオメディシン
科学的背景
歯周炎は全身の健康と密接に関連しています。糖尿病との双方向の関連が十分に裏付けられているほか、心血管疾患をはじめとする他の疾患との関連を示す科学的エビデンスも蓄積されています。ペリオメディシンでは、こうした関連性について理解を深めるとともに、それらを予防やケアにどのように活かすことができるかについて、分野横断的に検証します。
現状の課題
こうした科学的エビデンスを医科と歯科が連携したケアに活かす取り組みは、いまだ継続的・安定的な実践には至っていません。歯周炎が全身の健康に及ぼす作用メカニズムや因果関係についてさらなる理解が求められているほか、研究成果をどのように臨床実践へ反映するかという課題も残されています。予防・スクリーニング・患者紹介を分野横断的に行う機会も依然として限られています。
当機構の取り組み
当機構は、歯周の健康と全身の健康との関連について得られた知見を、リスク評価・予防・ケアに向けた新たなアプローチへとつなげることに注力し、医科歯科連携を通じて健康アウトカムの向上につながる可能性を追究していきます。
オーラルマイクロバイオーム
科学的背景
口腔内には、オーラルヘルスに重要な役割を果たす複雑な微生物生態系が存在します。近年では、オーラルマイクロバイオームの変化と全身の健康状態との関連を示す研究が増えていますが、その科学的エビデンスの多くは、現時点では相関関係を示すにとどまっています。こうした関連について理解を深めることで、予防・リスク評価・ケアに向けた新たなアプローチにつながる可能性があります。
現状の課題
オーラルマイクロバイオームの変化が全身の健康にどのような影響を及ぼすのか、その因果関係や作用メカニズムについてはなお多くの課題が残されています。また、どのバイオマーカーが臨床的に意味を持つのかも十分には明らかになっていません。さらに、研究手法や研究対象集団の違いにより、研究結果を比較することが難しいという課題もあります。
当機構の取り組み
当機構は、オーラルマイクロバイオームと宿主(人体)・環境との相互作用に関する知見を、研究の重点課題や科学的エビデンスに基づく予防アプローチへとつなげることに注力します。
各研究領域は当機構の専門家が主導・監修しています。